ED(勃起不全)は多くの男性が悩む病気であり、軽度のものを含めると3人に1人の男性が人生のどこかでEDを経験するという試算も出ています。彼氏がEDでも全く珍しいことではありません。しかし、EDとなっている原因を見極めたり、自分が本当にEDなのかを自力で判断するのは難しいため、症状を抱えている方でも実際に治療を行なっている方は多くはありません。EDに関係する身近なものの一つ、「カフェイン」に焦点を当て、EDに与える影響などを解説します。
毎日飲む方も多いコーヒーや紅茶に多く含まれるカフェインですが、実はEDに良い影響を与えることがわかっています。アメリカのテキサス大学健康化学センターが男性3724人を対象に行った米国国民健康栄養調査によると、1日に2~3杯分のコーヒーを摂取している男性はEDのリスクが減少したと報告されています。
米国の調査ではカフェインとEDの関係を直接づける結論は出ていません。しかしカフェインがEDのリスクを減少させうる原因には以下のものが考えられます。
EDは陰茎に十分な血流が流れないことによって起こります。カフェインには末梢血管を拡張してくれる働きがあり、この働きによってカフェインの摂取がEDに良い影響をもたらすと考えられています。
また、カフェインが持つ興奮作用がうまく働く場合もあります。ストレスなどにより性的興奮がうまく感じられなくなる心因性EDの方や、神経の不調で感じた性的興奮をうまく血流の増加に繋げられていない方の場合は、カフェインにより性的興奮を起こしやすくし、うまく勃起を促してくれると考えられます。他にもカフェインが持つリラックス効果を指摘する人もいます。
カフェインはEDにとって良い影響を及ぼしうることが分かりましたが、コーヒーを飲む量を増やしてEDを予防したり、治療しようと言うアイデアはあまり良いとは言えません。研究では、カフェインとED改善の直接的な因果関係は明確には示されていないからです。またカフェインの摂取量が多くなりすぎると不眠症や高血圧などの別の健康被害の原因となることもあります。1日の摂取量は多くてもコーヒー2~3杯くらいにとどめ、EDとカフェインの関係はあくまで参考程度にしておきましょう。ED改善には生活習慣の改善や治療薬の服用がおすすめです。自力で治せる場合もありますので詳しくは以下の記事をご参照ください。
EDの治療にはバイアグラやシアリスなどの服用は非常に有効です。すでに治療薬を服用されている方や服用を検討している方は、カフェインの治療薬への影響を気にされるかもしれません。結論として、基本的にはED治療薬の服用前後のカフェイン摂取は問題ありません。バイアグラなどのED治療薬は食事の影響を強く受けますが、飲み物はそれほど影響がないことがわかっています。ただし、心血管系の疾患を患っている方は、心臓への負荷を減らすためコーヒーとED治療薬の併用は避けてくださいね。
EDは、思わぬことが原因になっていてその原因を取り除くだけ劇的に改善することもあります。ここでは、見落としがちなEDの原因となる習慣にのみ絞ってご紹介します。
仕事上のストレスなどだけでなく、パートナーとのセックスそのものがトラウマになっている場合も。一度自分の生活を振り返ってみて、ストレスとなっているものがないか振り返るのは有効です。
質の高い睡眠は陰茎への血流維持に非常に重要です。睡眠時間は確保できているつもりでも眠りが浅いように感じたり、途中で起きてしまう場合などは内科などで一度診察を受けてみるのも良いでしょう。
長時間のデスクワークで座り過ぎの状態が続いている場合は、陰茎周辺の血流が阻害されることでEDの原因となっている場合もあります。1日の座位時間(座っている時間)が「5時間未満」の方に比べ「9時間以上」の方は、EDの発症リスクが約85%も高くなると言う研究もあります。勤務中は適度に立ち上がってストレッチをしたり、在宅ワークの方は昇降式のデスクを導入するなどして同じ姿勢が続かないようにすると良いでしょう。
いかがだったでしょうか。カフェインはEDに良い影響をもたらすとのことでしたが、EDの治療・予防には別のアプローチが必要です。EDは人により原因が様々なので、まずは原因を特定することが非常に重要です。日頃意識しない習慣にも目を向けてみると良いかもしれません。
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医療家系で育ち、若くに父が病死したことから、ヘルスケア領域での社会貢献を志す。自身が薄毛に悩んだ経験から「すべての人をデリケートな健康問題から解放する」をミッションにしたオンライン診療サービスActually, を創業。京都大学経済学部卒、ボストンコンサルティンググループにて企業の経営戦略策定を支援。