現在妊娠中の方、出産を終えられた方の気になる症状のひとつが産後脱毛症だと思います。産後脱毛症とは、妊娠中に大量に分泌されていた女性ホルモンの量が急激に減少することで、一気に髪が抜け落ちる症状のことです。女性ホルモンのエストロゲンはヘアサイクルの「成長期」を長くし、抜け毛を減らす働きをしてくれるので、このホルモンが産後減ってしまうと薄毛・抜け毛が増えてしまいます。産後脱毛症は出産を経験した女性の8割以上に起こる症状です。出産後2~3ヶ月で症状が始まる方が多く、ほとんどは半年〜1年で症状が治ります。
出産後に育毛剤を使用すること自体には問題はありません。しかし多くの育毛剤が販売されており、育毛剤ごとに成分も異なるので、母乳への影響に要注意。授乳中/授乳予定の方は、取扱説明書を読んだり、薬剤師や医師に相談してから使用するようにしましょう。
育毛剤は一般的に医薬部外品に分類されます。医療用医薬品などに分類される治療薬と違い、効果・効能を保証するものではないので、確実に効果を得られたい方、副作用や体への影響をしっかり知りたい方は、医師の診察の上、治療薬の服用を検討しても良いかもしれません。
産後脱毛症がひどく早く治したい場合や、なかなかよくならない場合、治療薬の服用を検討されると思います。基本的には時間と共に落ち着くものなので治療薬による治療は行わないケースが多いです。また、薄毛治療薬には内服薬や外用薬など様々な種類があります。症状の度合いや、出産後の経過時間などでも効果的な治療法が変わってくるのでまずは医師の診察を受けると良いでしょう。
薄毛治療薬は内容薬・外用薬ともに母乳への影響があるため使用は禁じられています。問題がないと思われがちな外用薬(塗り薬)も経皮吸収されて血液内に医薬品の成分が入理、母乳に影響が出るので絶対に自己判断で服用しないようにしてくださいね。
産後は今後の不安や様々な状況が大きく変わるために睡眠不足やストレスを感じられる方が多くいらっしゃいます。ストレスや睡眠不足は頭皮に十分な血流が行き渡らなくなり、薄毛の原因になります。
産後は心身ともに疲労してしまう人も多い時期です。カウンセリングを受けたり、パートナーや家族と相談して育児の負担を減らしてもらい、できるだけ周りの信頼できる人の力を借りれると良いですね。
産後脱毛症はホルモン量の急激な変化による一時的なものです。多くの方が半年くらい、長くても一年ほどで症状が改善すると言われています。もし期間が長く続く場合やなかなか症状が改善しない場合は、元々発症していたFAGAなど他の薄毛が出産を気に加速しているケースなども考えられます。不安を感じたらなるべく早く医師の診察を受けると良いでしょう。
いかがだったでしょうか。産後脱毛の影響があるうちは、育児のストレスや睡眠、食事のバランスなどに気をつけ、必要に応じて育毛剤などを検討すると良いでしょう。
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医療家系で育ち、若くに父が病死したことから、ヘルスケア領域での社会貢献を志す。自身が薄毛に悩んだ経験から「すべての人をデリケートな健康問題から解放する」をミッションにしたオンライン診療サービスActually, を創業。京都大学経済学部卒、ボストンコンサルティンググループにて企業の経営戦略策定を支援。