イソトレチノインは、主に中等症以上のニキビの治療に用いられるお薬で、その強力な効果から「ニキビ治療の切り札」とも呼ばれます。一方で、治療の過程でニキビが一時的に悪化する「好転反応」が起こると言われ、特にXやTikTokなどのSNSで話題となっています。
この記事では、イソトレチノインによる好転反応の実態や、そのメカニズムについて詳しく解説します。治療を始める前に知っておきたい情報をお届けしますので、ぜひ最後までご覧ください。
イソトレチノインを服用すると、治療初期にニキビが一時的に悪化することがあります。この現象は、かゆみや赤みを伴い、「ニキビが増えた」「肌が赤くなった」と感じることが特徴です。特にSNS上では、これを「好転反応」と呼ぶ表現が広まっています。
この一時的な症状の悪化は、イソトレチノインの作用によって皮膚のターンオーバーが促進され、角栓や皮脂が表面に排出されるために起こるものです。治療を開始して最初の数週間に発生しやすいですが、多くの場合、時間の経過とともに改善していきます。
💡 この現象は、薬が効果を発揮し始めたサインとも言えます。
「好転反応」という言葉は本来、東洋医学で使われる概念で、「身体が好ましい方に転じる過程で、一時的に(悪い)身体反応が起こること」を指します。しかし、この表現には科学的根拠が乏しく、厳密には適切ではありません。さらに、厚生労働省も「好転反応」という表現そのものが薬事法に抵触する可能性があるとの見解を示しています。しかし、SNSやインフルエンサーの発信を通じて、この表現が一般的に広まってしまったようです。
この記事では、読者の理解を優先し「好転反応」という表現を使用しています。ただし、ここでの「好転反応」は「イソトレチノイン服用による一時的な症状の悪化」を指すものとしてご理解ください。
イソトレチノインの服用で好転反応が起きる理由を簡潔に言うと、「皮膚のターンオーバーが促進され、蓄積していた角栓や皮脂が表面に排出されるから」です。そのメカニズムを詳しく解説します。
イソトレチノインは、皮膚のターンオーバー(肌の新陳代謝)を大幅に促進します。この働きにより、皮膚内部に蓄積していた角栓や皮脂が一気に表面に排出されます。これが原因で、治療初期にはニキビが一時的に悪化したように見えるのです。
さらに、ターンオーバーの促進によって、通常の代謝では排出されなかった深層の角栓や皮脂も皮膚の表面に現れることがあります。このため、普段ニキビができたことのない箇所(頬など)にも新たにニキビや角栓のしこりが発生することがあります。
これらの症状は、治療が進むにつれて自然に解消されることがほとんどです。治療初期の悪化を恐れず、医師の指導のもと治療を続けるようにしてください。
好転反応の起きるタイミングは人によってさまざまです。一般的には、服用を開始してから最初の1週間〜2週間であらわれる場合や、1~2ヶ月後にあらわれる場合もあります。これは、薬の効果が現れ始めている証拠なので、焦らずそのまま治療を続けていただくことが必要です。
当院でも、さらにニキビが悪化してしまったことにショックを受けて、治療を中断してしまう方がいらっしゃいます。辛いお気持ちはとても分かりますが、治療を継続することでニキビが改善されることが研究で分かっていますので、我慢強く治療を続けることが重要です。
イソトレチノインの好転反応が起こる確率についての研究結果はありませんが、当院では実際に「イソトレチノインの治療初期にニキビが悪化した」というご相談を50人に1人程度の頻度でいただいています。
症状が軽度で相談に至らない方を含めると、5~10人に1人程度(1〜2割程度)がイソトレチノインによる一時的なニキビの悪化(好転反応)を感じている可能性があります。
このように、治療初期のニキビの悪化(好転反応)については、症状が出ない方もいらっしゃいます。
イソトレチノインの好転反応に関する実際の患者様の声を、ブログやSNSからピックアップしてご紹介します。
※プライバシーや著作権を考慮して、文章を一部改変しています
イソトレチノインの服用を初めて2週間ほどで、好転反応でいつもはできない場所にニキビができるようになりました。あごの皮膚の深いところに大きなニキビが何度もできてしまいました。
イソトレチノインを飲んですごく副作用が出てしまい、お肌がひどくなりました。大きなニキビが両頬にできて、小さなニキビもたくさんできるようになってしまったので飲むのを止めました。
飲み始めて2ヶ月経ったところです。今までと変わらないくらいに、ニキビがポツポツとできています。飲み続ければ本当に治るようになるのか、不安です。体重60kgで、1日10mg服用しています。
イソトレチノインの飲み始めに、好転反応でめちゃくちゃニキビができました。でも3ヶ月経ったら、ここ10年くらい悩んでいたニキビが嘘のようにできなくなりました。
Actuallyのイソトレチノイン治療では、現在「アクネトレント」という製品を採用し、主要なオンライン診療サービスの中で国内最安値の料金プランを提供しています(2025年1月現在)。以下の料金プランをご覧ください。
イソトレチノインの好転反応に関するブログや口コミから、一時的な症状悪化は多くの方が経験するものの、治療を継続することで改善を実感している声が多数寄せられています。不安な場合は、自己判断で治療を中断せず、必ず医師に相談してください。正しい知識を持って治療を続けることで、理想の肌に近づく第一歩となるでしょう。
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/dl/kenkou_shokuhin06.pdf
https://www.jaad.org/article/s0190-9622(15)02614-6/fulltext
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医療家系で育ち、若くに父が病死したことから、ヘルスケア領域での社会貢献を志す。自身が薄毛に悩んだ経験から「すべての人をデリケートな健康問題から解放する」をミッションにしたオンライン診療サービスActually, を創業。京都大学経済学部卒、ボストンコンサルティンググループにて企業の経営戦略策定を支援。