医薬品の個人輸入は、社会的に注目度が高いトピックの1つです。デジタルシフト、コロナ禍での病院離れなどの拍車がかかり、個人輸入の利用者が増加していると推測されるにも関わらず、その実態をまとめた調査は国内に多くありません。そこで今回、消費者の個人輸入サイトの利用状況を把握する目的で本調査を実施しました。
対象者:全国の20~50代の男女
サンプル数:回収数200名、うち有効回答数199名
調査方法:インターネット調査アンケート
実施期間:2022年8月31日〜同年8月31日
購入したことのある医薬品で最も多かったのはピル(低用量ピル・アフターピル)、次に多かったのはスキンケアやデンタル関連でした。
ピルが多く利用されているのは、海外製品の方が安いことや、需要が大きいこと、通院のハードルが高いことなどが考えられます。スキンケアやデンタルなどの審美目的の医薬品は、国内では入手できない商品を入手したいというニーズがあるようです。
避妊などの女性特有の悩みだけでなく、EDなど男性特有の悩みにも個人輸入は利用されているようです。
トラブルが出たことがある人は利用経験者の約12%でした。トラブルがあった方は、「商品や梱包に損傷があった」というトラブルがあったようです。今回の結果を見ると、個人輸入のリスクはさほど高くないと思われるかもしれません。しかし、不良品や偽薬だとわからずに使用し、トラブルに遭ったこと自体に気づいていない可能性も存在します。個人輸入の危険性を誇張するわけではありませんがが、医薬品という性質上、容量が少なかったり、成分が微妙に違うものなどはなかなか気づきにくいので、気づかぬうちにトラブルに巻き込まれていたということもあるかもしれません。
個人輸入の利用を続けることに消極的な人が4割ほどに上ることが分かりました。しかし、利用を続けるのに消極的な人のうち、43%は「リスクを承知で使い続けるしかない」と回答しており、病院処方の金銭的・心理的ハードルなどでやむを得ず個人輸入を利用している人も多いことがわかりました。
本調査によると、個人輸入経験者の大半が今後も使用を続けるつもりだと回答しています。本調査ではトラブルにあったことを自覚している方は少なかったですが、個人輸入は危険性がかなり高く、使用はお勧めできません。個人輸入には以下のような危険があります。
国内で正規に流通している薬とは違い、薬機法に基づいた有効性・安全性が確認されているとは限りません。
2016年にファイザー社など4社が共同で実施した「偽造ED治療薬4社合同調査」によると、国内の個人輸入で流通するED治療薬のうち約4割が偽薬であるとわかっています。
個人輸入は、個人が直接行う取引であるため、偽薬であったり、健康上の被害が出ても個人が自己責任で対応する必要があります。
Actually, では、スマホから無料で医師の診察を受けることができます。
いかがだったでしょうか。本調査に結果にどのような感想を抱くかは人によって異なると思います。しかし、利用している人が一定数存在することや、リスクを不安に思いながらも使わざるを得ない人がいることは、本調査を通じて分かった看過できない事実です。Actually, は、オンライン診察という形でこの現状に対してソリューションを提供いたします。
医療家系で育ち、若くに父が病死したことから、ヘルスケア領域での社会貢献を志す。自身が薄毛に悩んだ経験から「すべての人をデリケートな健康問題から解放する」をミッションにしたオンライン診療サービスActually, を創業。京都大学経済学部卒、ボストンコンサルティンググループにて企業の経営戦略策定を支援。